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読書百遍

これまでの「読んだ本の内容を覚えていない」という、悲しい読書からの脱却を目指し、「熟読」「再読」「アウトプット」の読書を目指しています。 

樋口裕一「読んだつもりで終わらせない名著の読書術」 一冊の名著を多読する

樋口裕一「読んだつもりで終わらせない名著の読書術」 一冊の名著を多読する

 

私が読書をするうえで心掛けていることは、内容をできるだけ記憶しておくようにすることだ。読んだのはいいが、中身について聞かれたときに何も覚えていないようでは寂しい。

しかし、本を最初から最後までじっくり読んだとしても、内容をしっかり理解できるとは限らない。特に長編や古典の難しい本であると、読み進めるうちに混乱してしまうことがある。そういった本であっても、スッキリ理解できるようになりたい、そんな私の読書に多くのヒントを与えてくれたのがこの本だ。 

  

読んだつもりで終わらせない 名著の読書術

読んだつもりで終わらせない 名著の読書術

 

 

本書はタイトル通り、名著と呼ばれる文学作品をどう味わい、忘れないようにするか、そのための方法が示されている。

樋口氏は名著を味わうための方法として、

  • 予習
  • 読み
  • 復習(繰り返し読み)

と、3段階に分けることが必要だと言う。

 

名著というと難解なイメージを持ってしまうが、それをどう攻略するのか。樋口氏によると名著だからこそのメリットがあるという。名著であれば、その作品について多くの評論家、作家、ブロガーに言及されていたり、映画化やドラマ化、漫画化されてたりなどしていて、その本以外からの情報量が得られる。読書の前に、そういったもので予習しておくことによって物語にすんなりと入りやすい。あらかじめ膨らませておいたイメージが読書のハードルを下げてくれる。それが①の予習にあたるわけだ。

 

次に②の1回目の読みでストーリーを追って読む。その読み方についても多くの方法が説明されているが、特に興味深かったのは「レッテル貼りをしてから読む」というものである。例えばこの小説は「恋愛小説」「冒険小説」などと前もってジャンル分けしてから読むのだ。むしろ私は先入観を持たずに読み始めたほうがいいのだろうと思っていたのだが、そうとばかりも言えないようだ。レッテル貼りをすることによって、読み手としては一本の軸ができ、イメージが膨らみやすい。読後にそのレッテルが変更されてもかまわないし、それはそれで新しい発見があったということだ。

 

そして最も重要なのは③で、その後繰り返し読むことである。

「たった一度で読んだつもりになっていては、非常にもったいない!」と言う樋口氏には完全に同意である。名著というのは「多様な解釈が可能」であり、繰り返し読むと、前回とは異なった読み方ができる。同じ本を読んでいるわけだが、ある意味違う本を読んだともいえる。つまり一冊の本を繰り返し読むということは、「多読」しているのと同じだ。現代は多くの本を読むという意味での「多読」「速読」が幅をきかせているが、この「一冊の名著を繰り返し読む」ことのメリットは相当大きいと思う。一冊の本から「多様な解釈」をするためには、読解力や想像力が求められる。そのためには本書にあるように、あらゆる技術と五感を総動員して一冊の本を「あじわいつくす」ことが必要だ。

 

読書において大切なのは「本を読む」という行為ではなく、「本から何を得るか」ということだろう。そういう意味では、型にはまった読書の仕方よりも、本書のように、ありとあらゆる手段を使って読解の手助けをしたほうが、より良い読書になるに違いない。私も「読んだつもりで終わらせない」樋口メソッドをつかって名著を繰り返し読み、自分の血肉にしたい。

 

 

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