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読書百遍

これまでの「読んだ本の内容を覚えていない」という、悲しい読書からの脱却を目指し、「熟読」「再読」「アウトプット」の読書を目指しています。    (穴があくまで本を読む改題)

池上彰「伝える力」

池上彰

「伝える力」(PHPビジネス新書)池上彰

 

 「伝える力」=「コミュニケーション能力」である

「伝える力」は、ビジネスパーソンにとどまらず、

すべての人に必要な能力である。

 

誰もが自分の考えや感情を、他人に理解してもらいたい、

共感してもらいたいという思いは持っているだろう。

そのために必要な「表現力」ともいえる。

 

また、自分は他人を正しく理解することが、

周りの人とうまく付き合っていくためには大切である。

つまり、「伝える力」=「コミュニケーション能力」である。

 

本書では、ジャーナリストの池上彰氏がその「伝える力」の高め方を、

わかりやすく「伝え」てくれる。

私が興味深かったポイントをあげてみた。

 

「自分がいかに物事を知らないか」を知る

わかりやすい説明のためには、まったく知らない人に説明するにはどうしたらよいかということまで意識する必要がある

 しかし、自分自身が深く理解していないと、わかりやすく説明できない。

 理解を深めるためには、まずはその前段階として

「自分がいかに物事を知らないか」を知り、他者から謙虚に学ぶことが必要である 

 

嫉妬社会での「危機管理」とは

伝えるときに大切なのが、危機管理の意識を持つことである。

日本は「嫉妬社会」であり、理屈ではない日本人の特有の感性もある。

そのため、謙虚さの有無、あるいはその程度によって、同じように成功した人のなかでも、愛される人と疎まれる人にわかれる。

時には、謝罪することが円滑なコミュニケーションや危機管理のために有効である場合がある。

 「正しい正しくないか」とは別に、「今、何を言うべきか」を判断する能力は、ビジネスパーソンに求められる資質である。

  

文章力をアップさせるためには

1.「もう一人の自分」を育てる(自分で自分にツッコミを入れることを習慣化する)

2.プリントアウトをして読み返す(「第三者」の視点に立って見直す)

3.寝かせてから見直す(理想は一週間、最低でも一晩はおいてから仕上げる)

4.音読する(リズムの悪さや回りくどい表現がないか気づくことができる)

5.新聞のコラムを要約する

6.小説を読み、文章構造を分析する

 

わかりやすく伝えるためには

難しく書くことは簡単だが、わかりやすく書くことは難しい

「簡単なことは簡単に」書く

「難しいことも簡単に」書くことを心掛ける 

 

この言葉・表現は使わない

1.「そして」「それから」文章が論理的であれば、これらは使う必要がない。むしろ「使わない」と決意することによって、接続詞がなくても論旨が通るように、文章の論理を研ぎ澄まさなければならず、文章の上達につながる。

2.順接の「が」論理が不明瞭になる

3.「ところで」「さて」「いずれにしても」これらを使うことは、それまで書いていたことの論理に関係なく話を無理にまとめる行為であり、それまでの論理の流れを否定しかねない。

 

まとめ

「伝える力」、特に文章力を高める方法や技術についてはとても参考になる。しかし、もっと重要なのは、伝える相手側の立場に立って、興味を持ってもらえるように考えることである。伝える相手が変われば、おのずと伝える方法、表現も変えなければいけない。私も今までは自分の考えをどう表現するかばかり考え、そのような相手の立場に立った視点が欠けていた。その視点を持てれば、わかりやすい説明、表現ができそうだ。

また、危機管理についての言及はジャーナリストの池上氏ならではである。為になると同時に、そこまで気を使わなければならない、日本社会の息苦しさも感じた。

 

ちなみに、「あとがき」は、

本書に書かれたテクニックを駆使して書かれた

お手本のような文章である。

お見事です。池上さん。

 

伝える力 (PHPビジネス新書)

伝える力 (PHPビジネス新書)

 

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