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読書百遍

これまでの「読んだ本の内容を覚えていない」という、悲しい読書からの脱却を目指し、「熟読」「再読」「アウトプット」の読書を目指しています。    (穴があくまで本を読む改題)

池田信夫「今さら聞けない経済教室」

池田信夫

池田信夫「今さら聞けない経済教室」(東洋経済新報社

 

消費税率引き上げの延期、金融緩和、社会保障制度など、経済のニュースには関心を持っているが、これらはいくつもの要因が重なる複雑な問題で、正直何が正しいのか判断できない。そもそも基礎的な知識の欠落しており当然ではあるが。

そんな私にぴったりの本が、「今さら聞けない経済教室」である。

 

この本は池田氏が主宰する、インターネットの言論プラットフォーム「アゴラ」に連載している「アゴラこども版」がもとになっており、こどもで理解できるようにやさしく書かれている。

帯には「これ以上、やさしくはもう書けません」とあり、これは私にとっては最後の砦である。

 Q&A方式で60の疑問に答えており、関心のある問題のどこからでも読めるため、わかりやすく便利である。

 

 その中で私が特に知りたかった3つの疑問についてまとめてみた。 

  1. なぜ消費税をあげるのか?
  2. 景気が良くなるといつまでも成長できるのか?
  3. 社会保障の未来 ~50年後の日本はどうなるのか?~

 以上の3点である。

 

 なぜ消費税をあげるのか? 

  • 税金は所得税、消費税、資産税に大別される
  • 世界的には不公平の多い所得税から、比較的マシな消費税に移行する流れがある
  • EUでは20~25%の消費税がかけられており、日本でもこれから膨らんでいく、社会保障費をまかなうには、消費税を30%ぐらいにする必要があるといわれている。
  • そんな高い消費税を払うのがいやなら、いまのうちに、年金や医療などの支出を見直す必要がある

 

景気が良くなるといつまでも成長できるのか?

  • 景気はよくなれば必ず悪くなる
  • 大事なのは安定して成長できる経済の実力を上げることである
  • 持続可能な財政や社会保障の改革が必要である

 

 社会保障の未来 ~50年後の日本はどうなるのか?~

  • 国民所得は今後50年ぐらいでほぼゼロ成長になり、こども世代はいまより絶対的に貧しくなる
  • その理由は、いまの高齢者に払っている社会保障給付が多すぎるためである
  • 大事なのは、社会保障を成長しなくても、人口が増え続けなくても維持できるしくみに変えていくことである

 

 まとめ

本書を読んで実感するのは、経済を知ることは、日本の未来について知ることである。そして、経済について知れば知るほど、日本の未来は明るくないことがわかる。もはや先送りは許されない。成長戦略ばかりさけぶのではなく、ゼロ成長になっても維持できる、現実的な制度設計が求められる。

 

さらに重要な問題は社会保障における世代間格差、不公平であるという問題である。民主主義は多数決であり、現在ではお年寄りほど有利になる政治が行われてしまう。

 

しかし、いま政治を動かしているのは、50年後にはおそらくこの世にいない人たちである。未来のある、より若い人たちほど、「こんな不公平な社会はいやだ」と声を上げなければいけない。今年から18歳からの選挙権が認められるが、ぜひとも将来を支える若い人たちには選挙に行ってもらいたい。

 

私は本書を読んで経済を知ること、そして日本の未来を考えることの重要性を改めて痛感している。でなければ、日本の未来について考えることは、いまの高齢者にとっては「不都合な真実」として隠蔽されてしまう恐れがあるからである。

 

今さら聞けない経済教室

今さら聞けない経済教室

 

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