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読書百遍

これまでの「読んだ本の内容を覚えていない」という、悲しい読書からの脱却を目指し、「熟読」「再読」「アウトプット」の読書を目指しています。    (穴があくまで本を読む改題)

西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 自分で働いてお金を稼ぐということ

西原理恵子

 

西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(角川文庫)

 

毎日かあさん」で知られる漫画家、

西原理恵子さんの著作

 

「子どもに読ませたい本」、

「10代のうちに読んでおきたい本」と

よく紹介されているので手にしてみた。

 

一般的に「お金の話をすることは、はしたない」とされる。

しかし実際は生きていくうえで「お金の話抜き」はあり得ない。

 

本書は、本当の意味での「お金の価値」、「働いて稼ぐことの大切さ」、

そして「お金の怖さ」を教えてくれる。

 しっかりと「お金」と向き合い、「お金」について考えることこそが、人生をどう生きるかを考えることでもある。

 

本書は西原さんの半生記ともいえるが、一言でいうと波瀾万丈。

幼少期、彼女が生まれ育った高知での貧困の体験から始まる。

 

貧困は暴力を生み、子どもたちは居場所を失う。

彼らはさびしさを抱えたまま、やがて大人になるが、彼らの子どもたちもそれを引き継いでいく。

 

貧しさが連鎖するのだ。

その様子がリアルに描かれているが、

厳しい環境で育った子どもたちが自分の居場所を見つけ、

お金を稼げるようになるためにはどうすればよいのか。

そのヒントが西原さんの生き方に詰まっている。

 

西原さんはイラストレーターを目指し上京し、

美大の予備校に入るが当初の成績は最下位。

お金もない。

しかしそこから這い上がり、絵の仕事でお金を稼げるようになるのだが、

その過程はまさにハングリー精神に満ちていて勇気づけられる。

 

プライドで、メシが食えますかっていうの!

わたしに言わせるなら、プライドなんてもんはね、一銭にもならないよ。

 

 

必要なのは才能ではなく、サービス精神あり、人とちがうことをすること。

お金を稼ぐことで自由を手に入れ、自分の居場所を見つけることが大切である。

 

これでどん底から這い上がった西原さんの

サクセスストーリーが完成かと思いきや、

まだ先がある。

 

ギャンブル、FXでまさに桁違いの金を失う様子が描かれる。

同じお金でも汗水たらして稼ぐお金と、

そうでないお金があることを彼女は身をもって教えてくれる。

 

やはり、本気で生きている人の言葉は心に響く。

きれいごとではない、自身の体験から出てくる西原さんの言葉は説得力を持つ。

 

この世でいちばん大事なものは、「カネ」か?

いや、「カネを稼ぐこと」であろう。

働いて金を稼ぐことで自由を手にし、自分の居場所を見つけることができる。

西原さんの真意もおそらくここにある。

 

貧困は連鎖する。今や父親となった私には、この言葉は重くのしかかる。

何が起こるか分からない現代に、先を見通すことは困難だが、

お金について考えること、働いて稼ぐことの意味を考えることは、

子どもたちだけでなく私自身にも重要である。

 

そしてたとえどん底に落ちたとしても、

這い上がる力強さを持たなければならない。

 

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

 

 

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