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読書百遍

これまでの「読んだ本の内容を覚えていない」という、悲しい読書からの脱却を目指し、「熟読」「再読」「アウトプット」の読書を目指しています。 

「教養としてのプログラミング講座」清水亮  「人類の叡智」を学ぶ

「教養としてのプログラミング講座」(中公新書ラクレ)清水亮

 いまだにアナログ人間である私は「プログラミング」と聞いただけで拒否反応を示してしまいますが、もはやそうも言ってられません。この本は「プログラミングという言葉はよく聞くけど、実際はどんなことなのだろう」という疑問に答える「プログラミング」の入門書です。

 

教養としてのプログラミング講座 (中公新書ラクレ)
 

 

「プログラミング」と「教養」、初めはそれらの関連が今ひとつピンときませんでしたが、「プログラミング」は私たちの生活に密接に関係している非常に身近なものだったのです。著者の清水亮氏は《プログラミングを理解することは、「世の中の仕組み」を理解すること》であり、またプログラミングとは「人類の叡智」であると言いきります。コンピューターの世界だけでなく「実生活の様々な場面でも応用が利く、とても有意義なものばかり」であるならば、この本を足掛かりにして是非とも学んでおきたいところです。

 

そもそもプログラミングとは何か?「自分以外のものを、思い通りに動かす方法」であり、「その手順を正確に書き記すこと」です。そのプログラミングを使って、コンピューターを操るということと、「多数の人間を集めた組織を運営することは本質的に同じこと」なのです。ですからプログラミングの考え方、視点はあらゆる場面で応用することが可能です。例として、目覚まし時計の設定や、ファストフード店の接客マニュアル、さらに戦国時代、織田信長の鉄砲隊などがわかりやすく挙げられており、実際の世界がプログラムやプログラム技術に満ちていることがわかります。

また、バッファリング、アルゴリズム、ハッシュ+テーブルなどよく耳にする言葉も、実社会でどのように応用されているか例を挙げて説明されているので、すんなりと理解することが出来ます。

本書の前半部分では文章でプログラミングについて解説がされていますが、後半では、実際にコンピューターを使ってのプログラミングが体験できます。清水氏らが開発したというビジュアルプログラミング言語、「MOONBlock」は、よく想像される複雑な文字列ではなく、視覚的にわかりやすく整理されたもので、初心者でも容易にプログラミング体験ができます。「MOONBlock」はブロックを並べるだけで簡単にゲーム感覚でプログラムを書くことが出来、難解なイメージのプログラミングも最近では簡易化され、身近な存在になりつつあることが実感できます。

最終章では「プログラミングの未来」が予測されています。やがて「この世の全てがプログラミング」され、「コンピューターが人類の思考能力を超える日」が来る可能性もあるというのです。社会全体がプログラミングされる一方、さらに簡易化が進み、誰でも気軽にプログラミングが行えるような時代が来ることが予想されます。そんな未来を想像すると、さらに便利になっていくであろう私たちの生活に期待が持てる一方、末恐ろしさも感じます。しかし、プログラミングを学ぶことは「人類の叡智」を学ぶことであり、現代を生きる私たちにとって必須の「教養」と言えるでしょう。

 

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